本日の一品彼女の召使いのフリをして運ぶ
外装ジッパードカバーを取り外すと、見慣れたモノグラム柄のトランクが現われる。ダミエ柄なども10%程度の価格アップでセミオーダーできるが、なんと約1年待ちの納品となる。もちろん、内張りもカスタム可能
旅のスタンスやスタイルは、人によってさまざまだ,IXA RMT。着替えの数もミニマムで、持ち物は小さなバックパックだけ、もちろん現地では絶対にお土産を買わない。カメラは持って行かず、天然網膜CCDにスナップショットする。そんな“地球の歩き方タイプ”のバックパッカーもいれば、召使いが必要なほど多数の着替えや靴やサンダルから室内履きまで、さらにハイパワードライヤー、メークアップアーティストが持っているようなバニティボックスまでと、超重装備な旅支度スタイルの姫も多い何度か海外旅行に行くうちに、初めての海外旅行に実用的なトランクを持って行った初々しい気持ちを忘れ、空港のターンテーブルに順番に出てくるいろいろなトランクの品定めをしている間に、ブランド物のトランクにのめり込むケースもあるようだ。もちろん、実用性のみで選ぶ人種もいるのだが、そんな賢い顧客ばかりでは世界の旅行鞄業者の大半は潰れてしまう筆者の大好きだったゼロのハリーバートン・トランク、そしてイメージ的には少し近いが、より軽量で実用性にも優れた独リモワ社のトランク。また、今やバリスティック・ナイロンの代名詞のようになっているTUMIのプルオーバー。ただの紙でも粘り強い紙を売り物に、旅行鞄では日本でも注目されている英国のグローブトロッター社などなど、世界中の鞄メーカーが入り乱れてバトルを繰り広げる昨今だが、「旅のトランク」と言えば、もはやこの右に出るモノがないと言われる老舗のトランクが本日の一品だゼロハリーバートン、リモワ、TUMI、グローブトロッターなどのメーカーは、いずれもその構造上の特長や旅行鞄に込めた製品コンセプトをユーザーに正しく理解される形で明確に提示している。ブランドの確立および存続において成功を収めるには、こうした製品戦略が必須だろう。そしてなにより、ブランドがブランドとしてあり続けるのは、そのブランドだけが持つ、強い「みせびらかし効果」なのだ。「みせびらかし効果指数」の高い商品ほど、ブランド指数が高いと言っていいだろうモノを運ぶ入れ物の老舗であるルイ・ヴィトンのトランクは、同社の歴史そのものでもある。多くのバリエーションの中から、自分に最適のサイズを選ぶことは極めて難しい。もっともお金持ちの場合は、小から特大まで、その全てを一揃い購入することで、悩みの解消はイージーだろうがそんなトランクの1つを彼女が突然、銀座並木通りで買ってしまった。選んだ機内持込サイズをオーバーするトランクと、その持ち主が、海外の空港で、ホテルで、タクシーで、いったいどういう扱いを受けるか今から楽しみだ,リネージュ2 RMT。風の噂では、ヴィトンのトランクは、航空会社によってはいつものターンテーブルには出てこないとか、なんと、別口から金のカートに載って出てくるらしい。さまざまな噂(都市伝説?)が飛び交うヴィトンのバッグを連れての旅行は、プアマンにとっては未知の世界なのだもっとも、ひとつだけハッキリしていることがある。めいっぱい荷物を詰め込まれ、ローラーもないヴィトンのトランクを汗を拭きながら持ち運ぶ姿は、召使い以外の何者でもないということだけは確かだ。いよいよ、エコノミークラスのディスカウントチケットでは海外旅行に行けなくなってしまったのかもしれない。旅行鞄を買われて、海外旅行が遠のくハメになるとは思わなかった。
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